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「THE LIBRARY 2015」の記録

 「THE LIBRARY」は2015年、京都・河原町三条のMEDIA SHOP galleryにて3月に「THE LIBRARY in KYOTO 」を、8月に東京・神宮前のToki Art Spaceにて、「THE LIBRARY 2016」を開催しました。


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「THE LIBRARY in KYOTO 」
2015年3月17日 (火) ~3月22日 (日)
MEDIA SHOP gallery(京都・河原町三条)
京都市中京区大黒町44 VOXビル1F(京都市営地下鉄東西線三条駅より5分)

 2015年3月17日 (火)~22日 (日)、京都・河原町三条の MEDIA SHOP galleryにて「THE LIBRARY in KYOTO」が開催されました。MEDIA SHOPは、京都市街の中心部・河原町三条交差点のすぐ近くに位置する、関西でアート書籍を専門に扱う書店の先駆けとして知られていますが、昨年の春に店舗が隣に移転し、元の店を改装してギャラリーが新たにオープンしました。
 「THE LIBRARAY」では、東京・神宮前のGallery ART SPACEでの展覧会と合わせて、1995年~2005年までの12年間はギャラりーそわかで、2008年にはギャラリーはねうさぎで京都巡回展を開催していましたが、それ以来7年ぶりとなります

出品者
参加者は169名、この内、関西在住の方は73名(京都在住の方は31名)でした。

アカサカヒロコ/あけび/あづちひろふみ/阿部尊美/あまぬまよしこ/Ayako/アライマリヤ/伊織/石川雷太/和泉潔/市川裕子/伊藤和代/糸桜ゆかり/乾久子/いのうええこ/上田幸子/植野智子/ウエハラサチコ/うちだじゅん/Ube-Mina/上井とまと/江口未起/SYプロジェクト/エリイシイ/大嶋麻衣子/大坪透/大山美穂/岡田信子/オカミキコ/岡本早苗/岡本美香/小沢智恵子/omotot/かおりんご/加賀美裕子/梶田文典/加藤暁子/CANOO/ 亀井志保/かわだかずこ/川戸郷史+菊井崇史+山田有浩/河村塔王/上牧清美/菊田美智代/北村真一/城戸みゆき/木野純子/木原真男/ギョーマンちめこ/清川浩美/喜洛屋/國松万琴/久保田弘美/cocoro/こしあん/小島麻夕子/コトコトことば/kotohana* akira(ほんださおり)/小林雅子/さいとー/さいとううらら/坂本佳与子/佐々木竹翠/サトウアユミ/佐藤創一/佐藤ゆかり/さのともみ /SAM/篠原誠司/篠原晴美/島田泉/しまりす/清水ゆかり/進士遙/Shinya B/菅沼靖幸/鈴庄ひい奈/ゼノビッチ美奈子/怎々塚惣一郎商會/田浦ボン/たかしまん/高野眞砂子/たかはしなつみ/高橋めぐみ/高橋幽明/高橋ユミ/高橋理加/瀧本裕子/田窪与思子/田島雅子/橘良子/たなかさおり/たなか知美/たむらしょうこ/檀上遼/DANPEN/ちしたかずよ/ちばえみこ/ツギ/辻田陽子/寺床由紀子/徳永直/totto/tomoto/内藤早智/中川栄二/中川るな/中崎恭子/中島優理/中野愛子/なかまさひと/中村通孝/新倉サチヨ/西口陽子/西村しーりん/にしむらようこ/仁平ますみ/のはらかずみ/ハザマヨウイチ/橋モトカ/橋本尚美/パセリ・ボンソワール/初見寧/東出明美/ひゅう/瓢吉庵油坊主/廣瀬章世/廣瀬剛/ひろたむつみ/Photographer KAJ/福本浩子/ふじふみを/藤本京子/北雪しろう/hokori/洞内由紀子/堀あすか/前野メリ/増子静/マスナリリョウコ/松永亨子/的場光晴/丸山光哉/Marina. A/三上愛/三木素子/micyon/御手洗友紀/三友周太(SYUTA)/宮原久宗/村上浩子/momoko/ももたかよこ/森智清/やすいまき/山田祥照/山本耕一/山本桃子/山本睦子/吉田けいこ/吉永憲嗣/羅入/riru.K/Ringorin/わたなべちとせ/鰐山

 

「THE LIBRARY in KYOTO」の展示記録

 

「THE LIBRARY in KYOTO」のイヴェント

「THE LIBRARY in KYOTO」では、開催中に、出品者を中心に以下のイベントが行われました

3月17日(火)19:00~ オープニング・トーク「手で本をつくること」
清水裕子(Letter Arts)×松永亨子(ブック・アート)×村上浩子(絵本)

 カリグラフィーなど文字による作品を中心に制作・発表を続けている清水裕子さん、さまざまなかたちでブック・アート作品を発表している松永亨子さん、手づくりの絵本や雑貨の制作、絵本制作の指導を活動の中心にしている村上浩子さんという、関西で幅広く活動されている3人によって、「手で本をつくること」をテーマにトークが行われました。

 参加者は、出品作家を含めて20名ちょっと。まずは、手書きの文字による創作「Letter Arts」を展開している清水さんに活動の内容を簡単にお話しいただくことからトークが始まりました。さらに、最近開催された清水さんと松永さんによる展覧会の様子が具体的に話されることで、松永さんの活動に触れつつ、展示空間の中での清水さんの作品の存在が具体的に会場に伝わっていきます。
 続いて、話題は村上さんの活動へ。手作りの絵本を制作されるようになったきっかけや、多くの方に絵本の制作を指導されるようになった経緯、表紙を開き、ページをめくっていくことで物語の世界が広がっていく絵本の世界の楽しさなどが語られました。ここを入口に、松永さんには製本をベースにした活動をもとに、清水さんは手で文字を創っていくことをもとにお話しいただき、メインテーマの「手で本をつくること」へとトークが進んでいきます。この中で話し合われたのは、本のさまざま要素の中から、どんな部分をそれぞれの方が大切だと考えて残しながら、コンセプトを重視して本のかたちから離れる、あるいは本のかたちにこだわってりつつ、自由な発想を込めて作品をかたちづくっていくかということでした。
 40分ほどの3人のトークに続いて、来場者で、かつて松永さんに製本の指導をされた造本作家の山崎曜さんに、本というかたちへのこだわり、手で本をつくること、そこから創られる作品についてお話しを伺い、オープニング・トークが終了しました。

関東から来られた方たちも含めて20名ちょっとが参加されました

 

左から清水さん、松永さん、村上さん

 

トークの最後に、東京から来られた造本作家の山崎曜さんにお話しを伺いました


トーク終了後、ほっとした表情の清水さん、松永さん、村上さん

 

3月19日(木)19:00~トーク「ほんのきのこ」堀博美(キノコライター)

 東京で行われた「THE LIBRARY 2014」でもトークをしていただいた京都在住の堀博美さんによって、キノコをめぐる熱く濃厚なトークが繰り広げられました。

 

3月20日(金)音のライブ
「混沌の首+Erehwon」(石川雷太、羅入、神林和雄、北野美月、山本紗由)
「シ、ミ、ル共振(トモブレ) ~ipyrima~」(菊井崇史、川戸郷史、山田有浩)

 展覧会4日目のイベントは2つのグループによる豪華2本立て。まずはノイズ音楽で強い支持を受ける混沌の首+Erehwon、さらにステージを入れ換え、この日限りの特別ユニットによる「シ、ミ、ル共振 ~ipyrima~」が行われました。

 まず登場したのはErehwon。福島第一原発事故をモチーフにした映像が洪水のように猛スピードで移り変わる中、放射能下での標準装備である白いタイベックスと顔を密閉したマスクを身に付けた二人によって、身を貫くよなノイズ音が会場に響きわたりました。
 赤と黒を基調にした和の衣装に同じくマスクを付けて次に登場したのが混沌の首。ノイズ音の中で身体を振動させながらたたずむシーンから、2本のローソクに火をともしての瞑想のシーンへ。さらに舞踊手による激しい奉納の舞から、最後には全員による様々な鳴り物を大音響でならしての乱舞へと、濃密に切れ目なく、40分のライブが続きました。

 

 

Erehwo

n

混沌の首+Erehwon

 しばしの休憩をはさみ、会場は一転して全ての照明がまばゆく灯され、「シ、ミ、ル共振(トモブレ)~ipyrima~」によるライブが始まりました。まず菊井崇史が、この展覧会のために発刊された本「シ、ミ、ル共振(トモブレ)~ipyrima~」の中からの詩の一篇を、会場をめぐりながら朗読。ここに、川戸郷史による三弦琉球民謡が加わり、詩と音楽による多重な空間がつくり上げられます。
 この空間に対して山田有浩は、初めは一歩引いた距離を保ちながら、その後、ゆるやかながら徐々に、身体の動きをこの場に溶け込ませていきます。そこに他の二人が応じます。琉球民謡が次々と重ねて謡われ、菊井と山田は会場で時折交錯し、さらに3人のことばと音、身体によってギャラリーの白い空間がかすかに震え続けるような、不思議な感覚を得た40分でした。

「シ、ミ、ル共振 ~ipyrima~」

 

 

「THE LIBRARY 2015」
2015年8月4日 (火) ~8月15日 (土)
TOKI Art Space(東京・神宮前)
東京都渋谷区神宮前3-42-5-1F(東京メトロ銀座線外苑前駅より5分)
http://homepage2.nifty.com/tokiart/

出品者

加者は145名です。

アオキチカコ/あづちひろふみ/あまぬまよしこ/天野行雄+黒木アン/Ayak/アライマリヤ/安藤祐理子/飯塚匡子/伊織/和泉潔/伊藤和代+久保みどり/乾久子/いのうええこ/うえにしゆか /上野井麻子/植野智子/ウスバアユミ/江口未起/榎並園子/大嶋麻衣子/大坪久美子/大坪透/大山美穂/オカミキコ/岡本千津+おづちともか/岡本千尋/荻原広晴/小沢智恵子/omotot/かおりんご/加賀美裕子/郭よしえ/梶原洋治/加藤暁子/樺沢柚乃/河村塔王/木村裕/ギョーマンちめこ/CouldOH/國松万琴/桾沢佳代/桑原利恵/こしあん/小島麻夕子/コトコトことば/小林雅子/さかいふみこ/榮菜未子/坂本佳与子/笹川萌/佐々木道子/楽々菜々子/佐藤創一/さとうひろこ/佐藤ゆかり/さのともみ /SAM/澤井昌平/参望/SHIHO/島作真梨子 /島田泉/しまりす/junko oishi/新川侑生/Shinya B/菅沼靖幸/須長和子/ゼノビッチ美奈子/怎々塚惣一郎商會/田浦ボン/たかしまん/高橋ユミ/高橋ななみ/高橋理加/田窪与思子/たごかおる/多田いほ子/橘良子/たなか知美/ちしたかずよ/寺沢陽/照屋美優/toma.M/内藤早智/中川栄二/中川るな/中西晴世/中野愛子/長野美里/中村通孝/中山竜一/なまらや 宮澤英子/西口陽子/西永早織/仁平ますみ/パセリ・ボンソワール/八屋邦彦/羽場文彦/原祥子/原婦美子/Hiori Leia (文)+TOMOMI.M(絵)/ヒシヌマアヤコ/ひろたむつみ/福本浩子/藤谷美貴雄/ふじふみを/ふじむらいづみ/hokori/洞内由紀子/前泊はつえ/マスナリリョウコ/松井三栄登/松岡ぜんぶ/松本耀平/的場光晴/丸山光哉/三上愛/水野系衣子/御手洗友紀/三友周太(SYUTA)/みなみじゅんこ/宮原槙季子/睦井栄子/本橋健斗/森麻美/安田敦子/山崎広樹/山崎曜/山田祥照/山田由紀子/山本佳世/山本耕一/山本睦子/山本桃子/横瀬芽実依/吉川久美子/吉田けいこ /よしながのりつぐ/依田恵/Writing office 創稿舎(平藤清刀)/riru.K/Ringorin/和田奈緒美/わたなべちとせ

 

「THE LIBRARY 2015」の展示記録

 

 

「THE LIBRARY 2015」のイヴェント

「THE LIBRARY 2015」では、開催中に、出品者を中心に以下のイベントが行われました

8月4日(火)19:30~ オープニング・トーク「手で本をつくること」
ゲスト:山崎 曜(製本アーティスト)

  展覧会初日の8月4日(火)、製本アートのパイオニアである山崎曜さんをゲストに招いて、オープニング・トーク「手で本をつくることVol.3」が、30名近い参加者を集めて行われました。まずは、進行のART SPACEによる、「THE LIBRARAY」展の成り立ちや特徴についての説明の後、「製本アーティスト」として長年活動してきた山崎さんに、製本の世界に入ったきっかけや、工芸的な製本をマスターした後、それをもとにさまざまな造形作家との共同作業の中で「製本アート」を確立させていったことなどを伺いました。さらに話は「ブック・アート」へ。「手で本をつくる」行為をもとに、製本の伝統にとらわれないさまざまな手法を創作していった経緯が語られたほか、形態を持たない作品、本の形態からはみ出てつくられる作品を、いかなる基準によって、どこまでブック・アートとして捉えるかという話題で場が盛り上がりました。
 トークはここで一段落。ここからは展示会場を歩いてめぐりながら、山崎さんにとって気にかかった作品を数点選んでのトークになりました。山崎さんが選んだのは、いずれも制作者個人の興味を突き詰めてつくられた作品や、手で描くことを痕跡とし色濃く残す作品でした。さまざまな履き物を、辞書的な意味と合わせて布素材によるページで表した飯塚匡子さんの作品、幼いお子さんたちと行った動物園の一日を、それぞれが描いた絵やコラージュで表した安藤祐理子さんの作品。過去10年間に作者が訪れた、美術館などさまざまな場所での展覧会の感想を、小さな冊子にびっしりと鉛筆で記した山田祥照さんの作品、女の子のとても繊細でリアルな感覚を描いた絵を、何とも言えずにしっとりとした質感の本で表した榎並園子さんの作品、自分の手持ちの洋服をそれぞれの日のテーマに沿ってコーディネートさせながら、50日間毎日、出会った人々に自分の姿を写真に撮ってもらって本をつくった御手洗友紀さんの作品などが紹介されました。
 再びトークに戻り、自分の表現したいものをいかにして製本によってかたちにするかというこつや具体的方法に話が及んだ後、1時間の濃厚なトークが終了しました。トークの終了後も、自分の作品制作に関する製本上の疑問点について山崎さんに尋ねる出品者の方たちの列が、会場にしばらく続きました。

30名ちょっとが参加されました

トークの中で取り上げられた飯塚匡子さんの作品

安藤祐理子さんの作品

山田祥照さんの作品

榎並園子さんの作品

御手洗友紀さんの作品

 

8月7日(金)19:30~朗読の会「声の夜」
第一部:オープンマイク
第二部:木村 裕(ことばと音のライブ)

 8月7日(金)、「THE LIBRARY 2015」の2つ目のイヴェントとして「声の夜」が開催されました。意外なことに、詩や物語の作品が数多く出品される「THE LIBRARY 」で、朗読のイヴェントは初めてとなります。今回は、前半では出品者によるオープンマイク(飛び入り)の朗読、後半では、詩作のほか、美術作品、作曲、ピアノ演奏を行う木村裕さんによる詩と音のライブの2部構成で行われました。
 前半では、怎々塚惣一郎商會さん、和泉潔さん、天野行雄+黒木アンの黒木アンさん、さのともみさん、かおりんごさん、Hiori Leia+TOMOMI.MのHiori Leiaさんの6名が順に出演されました。
 後半では木村裕さんが登場。キーボード、ギターをもとに録音された自作の曲をバックに、平仮名のみの48編の短い詩から構成された「ささやきかなし」を30分以上にわたって朗読されました。

怎々塚惣一郎商會さん

和泉潔さん

天野行雄+黒木アンの黒木アンさん

さのともみさん

かおりんごさん

Hiori Leia+TOMOMI.MのHiori Leiaさん

木村裕さんによる「ささやきかなし」の朗読

 

8月9日(土)「出品作品を語る会」

 8月9日(日)、「THE LIBRARY 2015」の「出品作品を語る会」が行われました。この日参加した出品者は、あまぬまよしこさん、天野行雄+黒木アンの天野行雄さんと黒木アンさん、伊織さん、荻原広晴さん、さのともみさん、たかしまんさん、中西晴世さん、吉田けいこさんの9名。会はまず、雑踏の人々のモノクロ写真を撮っている荻原さんに、撮影時の状況や本にする過程の工夫などを伺うことから始まりました。その後、天野さんと黒木さん、たかしまんさん、あまぬまさん、中西さん、吉田さん、伊織さん、さのさんの順で作品や制作について伺いました。その中では、作品のテーマのほか、素材の調達や加工ついても、他の出品者や観覧者から意見や質問が起こり、出品者9名のグループトークというかたちで進められたイベントは、1時間以上にわたって盛り上がりました。

天野行雄さんと黒木アンさんの作品説明

中西晴世さんの囲んでのグループトーク

伊織さんを囲んでのトーク

 

参加者のプロフィール

 

 

 

 < 参加申し込み/問い合わせ先 >

ART SPACE
artspace@h6.dion.ne.jp

 

 THE LIBRARY 2018

 

東京青山 TOKI ART SPACE の会場風景

 

 

 

< INVITATION CARD >